天職と適職
今回は少し毛色を変えて、ウェディングでいつも感じている個人的なことを書きたいと思います。
私はチームで何かを達成するような仕事、本当に得意です。
あるスキルが得意になり仕事が好きになる過程には次の2つの種類があり、ひとつは最初は全くできなくて、でも努力して頑張って訓練しているうちにできるようになるパターン①。そしてもう一つは本人もどうして得意なのか分からないが、とにかくあまり苦労せずに他の人よりも高いパフォーマンスを発揮でき、なぜかとても周りに喜ばれるパターン②。
前者のパターン①は「天職」、後者のパターン②は「適職」というのだそう。そして私にとって「チームで何かを達成するような仕事=ウェディング」は「適職」。
関わるスタッフひとりひとりが、自分自身のプロとしてのベストパフォーマンスを出すために最善と思われる行動を自ら選んで実践し、着実にベストパフォーマンスを発揮していく。周りのスタッフがベストパフォーマンスだと、他のスタッフも「よし自分も!」とますますベストパフォーマンスを発揮。
それらの集合体でウェディングが創られているので最高の1日が実現していく。
仕事は「人」がすべて
なぜスタッフみんなの気持ちを「この新郎新婦さまの最高のウェディングのため」という方向に向けて集中させることができ、スタッフに力を発揮したいと思わせられるのか。常時一緒にウェディングを創る当社スタッフのみならず、会場側の初めましてのスタッフの方でも、なぜか同じ動き(ベストパフォーマンス追求の動き)をとっていく。そうしてとは一言も言っていないのに、みんなが勝手にそうしていく。私が「こうして欲しい」以上の行動とパフォーマンスで自発的に応えてくれる。
変な話ですが、なぜそういった行動を全員がとってくれるのか、その理由が自分で分かっておらず。。この不思議現象も含めて「適職」というのでしょう。
でも、少し分かってきたことがあります。
初めて一緒にウェディングのお仕事をした方から「現場が楽しい」とよく言われます。私自身は強く自覚があるくらい現場には厳しく妥協せず、その実現のためには綿密なプランをもとに現場で細かく調整しながら、どんどん判断・実行していきます。当日の現場では何が起こるか分からないところがあり、何かに想定以上に時間がかかることもあるので現場調整が必ず必要です。
そういった感じで、且つ、私は一匹オオカミ的な性格でスタッフに対して決して余計な気は使わないタイプなので、友人感覚での「楽しい現場」では全くない。
そして余談ですが私は昔、学生時代にアルバイトで塾の先生をしていた時に、何かをやらない生徒に対して最初は他の先生たちと同様に普通に怒っていたのですが、ある時怒っても生徒があまり変わらないことに気がつき、結果が変わらないのに怒ることによって私の顔に怒りのシワが増えてしまっては一大事ではないか!! と思い至り、怒ることそのものをやめた(自分の人生から無くすことにした)という経緯があるのですが(笑)、それでも厳しい現場には変わりはありません。
例えば物の置き場所の1mmにこだわり指示も細かくていちいち決まりを作ります。スタッフの立ち居振る舞いにも細かく指示を出します。準備のできることに関しては完璧を追求します。なぜならそれらのひとつひとつが会場全体の空気(オーラ)を創ると信じているからです。きちっとした最高の空気(オーラ)の中にお二人やゲストをお迎えしたい、その想いただ一つです。例を挙げるとキリがありません。でもそれでも周りは「楽しい」と言う。
きっと本気で取り組むオーラが現場に満ちているんだと思います。そしてかなり手前味噌ですが、そのオーラを私が作り出せている。なおかつ関西出身のオチのあるトークで笑いもある。本気の厳しさと時折のリラックスが、きっと最高のパフォーマンスを出す気になる現場メイキングに繋がっているのではと感じています。
裏にある努力と、それを生み出した気持ちに想いを届ける
コロナ禍の中、どうしても挙げなければいけない事情のウェディングが先日5月30日にありプロデュースし大成功でした。私たち婚礼スタッフのみならず、牧師先生、オルガニスト、聖歌隊、カメラマンたち、ヘアメイクさん、さらには表には出てこない装飾花デザイナー、ウェディングドレスデザイナー、会場管理の裏方の皆さんまでもが、それぞれの立場で予想もつかないようなベストパフォーマンスとそのための入念な事前準備、大いに融通を利かせてくださったりもしました。
皆さんの想いが当日の新郎新婦さまに、全員がまっすぐに向いていることが本当に有り難くて、嬉しくて。今思い出しても目頭が熱くなります。
「当日を素晴らしい結婚式にする」という良い仕事を通して、中にはもしかしたら一期一会のその日限りのスタッフもいるかもしれませんが、それでもその1日は良いウェディングの実現のために他のスタッフと同様にしっかりと関係性を作っていく。
決して甘くはない厳しい存在ですが、一方でスタッフの素晴らしいパフォーマンスには言葉にして賞賛する。そのパフォーマンスの裏に、絶対にある努力と、それに向かわせた気持ちへの大きな賞賛を言葉でキッチリ伝える。時には笑いも入れる(勝手に入る 笑)。いつも見ている。ただ見ているのではなく「めちゃくちゃ見ている」!。だから気が付ける。
これこそが「適職」のリアルな中身、なのだと思います^^
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◇photo by martha stewart
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