ショーウェディングとは
ショーウェディング、聞いたことはありますでしょうか？きっと聞いたことがある方は少ないのではと思います。というのもこの言葉、実は私が勝手に作った言葉だからです。ショーウェディングとは新郎新婦からヒアリングした情報を元に、コピーライターが二人の結婚式ためのオリジナルキャッチコピーを作り、新郎新婦の人生観を結婚式にそのまま投影しようとドラマ仕立てで作り込む、超高額・結婚式のことを指します。
新郎新婦の当日の姿や二人の想いをゲストに「見せる」ことが最大の目的の結婚式なので「ショー（見せる）ウェディング」と勝手に呼んでいるのです。「コンセプトウェディング」ともいわれているものです。
ショーウェディングの具体例
具体的な例としては、浜辺でキャンプファイヤーやビーチバレーをおこなう進行を取り入れたものや、本が好きだから本がいっぱい、靴が好きだから靴がいっぱい、アリスのテーマに沿ってアリスの世界観を再現、という調子で、とことんまでに作り上げた装飾デザインにしたり、過疎の町に元気を取り戻すようなプロジェクトをウェディングと絡めてドラマ仕立てにするなど、ブライダル業界が成熟しているとはいえ、やり過ぎだと感じるのは私だけではないのでは…。しかもとてもとても高額（平均プラス１００万円！）です。
キャッチコピーを考えるコピーライターや、舞台系の装飾デザイナーなども関わっていますからね。でも…コピーライターにわざわざお金を出して考えてもらうキャッチコピーって、結婚式に果たして本当に必要なのでしょうか。
ショーウェディングの落とし穴
おもしろそう！やってみたい！という方は是非どうぞ（笑） ただ気を付けていただきたいのはショーウェディングの落とし穴。作られた「見せる」テーマに沿うことが最優先事項となることで、当日のゲストとの心の交流がおろそかになりがちである点、テーマに沿い過ぎた会場装飾や空気感にゲストがひるみ、結婚式という目的からずれた場になってしまう可能性がある点などです。
あと実際に聞いた話ですが、デザイナースタッフのキャッチコピーありきの独りよがりに新郎新婦本人たちがついていけないといったこともあるようで、途中からおふたりが「そこまですると逆にやりすぎかも…、なんのための会か分からなくなってきたかも…」となり、でも言い出せない雰囲気が漂い始め…。もうここまでくるとウェディングスタッフの暴走、行き過ぎています。
こういったスタッフたちは、おふたりの結婚式を作っているのではなく、「自分たちの作品」を作っているに他なりません。
大切なのは「なぜ」に立ち返ること
結婚式を「なぜ」おこなうのか。とがった自分を見せたい、見せて「すごい」と思われたい、「見せる」ことを目的とした結婚式、それもありかもしれません。ショーウェディングをおこなう人の多くは、あまり自分自身に自信がない方のように感じます。だからこそ他人からの目を必要以上に気にしていて、他人へ見せるための自分を演出することに大きな価値を見出し、そこにお金をかけているように見えるのです。
そうではなくて、本来は「自分そのものをまっすぐ表現する」ことで、結果的に人と違った唯一無二のウェディングが完成する。順番が逆だと思うのです。自分の思う、他人向けの理想の自分（本来の自分ではない、とがった借り物の自分）を作り出し、もっともらしいキャッチコピーをプロのコピーライターに作ってもらい、それを自分だと偽って、結婚式の場で大金をかけて見せようとすることに、虚しさや空虚感を感じるのは私だけではないと思います。
きっとゲストの方の中にも、そのように感じる人が複数人いることでしょう。
そんな偽りで飾り立てるような無意味なことに時間やお金をかけるのであれば、その分をもっと直球勝負で自分を磨き、今この瞬間のシンプルな自分自身について深く考察し、自分にとって最も大切にしたいことに焦点を合わせた結婚式作りをした方が100万倍、いや1000万倍、良いと思うのです。
自分自身に健全な自信を持つ人は、他人に見せるための自分を作ることそのものに関心がありません。そこに意味を見出さないものです。
たった一度の、人生の節目となる結婚式ですので、もしよかったらこんな風に考えてみるのはいかがでしょうか。
来てくださるゲストの皆様が心地よく、久しぶりの方ともちゃんと交流を図れた「心豊かな時間」をお土産にお帰り頂くことを最優先に考える。 「私が」から「あなたに」への視点変換。一人称から二人称への移行。そんな意識のキリカエがきっと、見える景色を変えてくれるし、大切なゲストにも、その想いが届くのだと思います。
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